頭痛薬まとめ

投稿日:2023年5月7日 | 最終更新日:2023年11月5日

はじめに

ITエンジニアやデジタルクリエイターの方などPC作業を中心とするお仕事をされていると頭痛になることが多いのではないでしょうか?コロナ禍で家にいる時間が増えたことで頭痛になる人も増えたとか言われてますよね。また、PC関係なしに元々頭痛持ちという人も結構な数いると思います。

そんな人類を悩ませる頭痛について、頭痛の種類と薬の選び方をざっくりまとめてみました。

頭痛の種類

頭痛は代表的な種類としては、

  • 片頭痛:脳の視床下部が関係
  • 緊張型頭痛:筋肉のコリや張りが原因
  • 群発頭痛:脳の視床下部が関係

があります。上記に加えて、さらに鎮痛剤を使いすぎることで発生する頭痛や、熱中症で頭痛になるケースもあります。分類としてはこんな感じですが頭痛は個人差が大きく全てがこのどれかに入るというわけではありません。また片頭痛と群発頭痛はどちらも脳の視床下部が関係していますが、症状が違います。詳しくはNHKの特集ページでわかりやすく説明があるので読んでみるといいかと思います。

市販の頭痛薬の種類

NHKがまとめてるのでもう書かなくていいんじゃないかなとも思ったのですが、市販の痛み止めにフォーカスしてここでは書いていこうと思います。ただし、群発頭痛はどう足掻いても病院一択なので受診してください。くも膜下出血や髄膜炎、脳腫瘍など重大な脳の病気が原因で激しい頭痛が起こっている可能性もあるので、注意が必要です。

片頭痛と緊張型頭痛については、市販の鎮痛剤でもある程度効果があるのでこちらについて触れていこうと思います。しかしながら前述した鎮痛剤を使いすぎることで発生する頭痛(薬物乱用性頭痛)を誘発してしまう恐れがありますので一週間に3日以上使うようでしたら市販薬でなんとかするのは諦めて受診しましょう。

市販薬として販売されている主な鎮痛剤は非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)と呼ばれる種類のものになります。代表的なものとしては

  • アスピリン(市販薬例:バファリン)
  • イブプロフェン(市販薬例:イブA)
  • ロキソプロフェン(市販薬例:ロキソニンS)
  • エテンザミド(市販薬例:ナロンエースT)
  • イソプロピルアンチピリン(市販薬例:セデス・ハイ)

があります。また、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)には分類されませんが比較的副作用が少ないアセトアミノフェンも市販薬として販売されています。ナロンエースTはイブプロフェンとエテンザミドの配合錠ですが、似た名前のナロン錠はこのアセトアミノフェンとエテンザミドの配合錠となります。

アセトアミノフェン単体の市販薬は子供用から大人用、剤型も錠剤だけでなくシロップ・粉・坐薬までと様々あり広く使われています。非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)に含まれてない理由として鎮痛・解熱作用は有しておりNSAIDsと同様に働きますが、抗炎症作用はほとんどないことが挙げられます。

そのほか、頭痛に関しては漢方も有効です。以下は頭痛に使用できる漢方です。

  • 五苓散(ゴレイサン)
  • 苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)
  • 呉茱萸湯(ゴシュユトウ)
  • 釣藤散(チョウトウサン)
  • 葛根湯(カッコントウ)

二日酔いのような気持ち悪さやむくみがあれば五苓散、めまいやのぼせ感がある場合は苓桂朮甘湯、冷えや胃腸障害が伴う時は呉茱萸湯、高血圧があれば釣藤散、肩こりから来る頭痛は葛根湯…ですがもし「わっかんね」となったら私はとりあえず五苓散をおすすめします。

頭痛薬の選び方

では、どうやって自分に合った薬を選んでいけばよいか、個人的な感想も交えてしまいますが市販薬の特徴をまとめたので合うものを選んでいただければと思います。ちなみにNSAIDsのような鎮痛剤は基本的に持病がある方には医師の判断がない場合おすすめはできません。副作用が比較的少なく、妊婦さんにも処方されることのあるアセトアミノフェンでさえ場合によっては肝障害の副作用が起こることがあります。なので持病がないという前提で進めます。ご了承ください。

【ロキソニンS】
こんな人に…
・15歳以上
・即効性重視
・眠くならない方が良い
・比較的胃に優しい方が良い
個人的補足:メインの成分はロキソプロフェンです。使用者が大人で特に値段を気にしないなら、比較的胃に優しくて眠くならず即効性があるのでこれをおすすめすると思います。ただしロキソニンSとロキソニンSプラスは眠気が出ないかつ1回1錠ですが、ロキソニンプレミアムになると眠気が出るかつ1回2錠なので注意です。

【イブクイック】
こんない人に…
・15歳以上である
・即効性重視
・緊張性頭痛、かつ多少眠気が出ても効く方がいい
・比較的胃に優しい方が良い
個人的補足:メインの成分はイブプロフェンですが、酸化マグネシウムを加えることで比較的胃に優しく、さらに即効性を上げたお薬です。ロキソニンSよりはコストが安く、割と愛用者が多いイメージです。ただし鎮静剤が入っているので眠気が出ることがある点は注意してください。

【バファリンA】
こんない人に…
・15歳以上である
・できるだけ安く
・胃が丈夫である
・眠気は出ない方が良い
・1日2回タイプで良い
個人的補足:メインの成分はアスピリンです。胃がキリキリしやすいと言われていますが1、2回飲むくらいなら私は平気なのでコスパが良く眠気も出ないので買い置きにすることが多いです。ただ1日2回までしか飲めないので低気圧で一日中頭痛が続くような時はちょっと効果が途切れてしまうかもしれません。

【イブA】
こんな人に…
・15歳以上
・できるだけ安く
・緊張性頭痛、かつ多少眠気が出ても効く方がいい
個人的補足:メインの成分はイブプロフェンです。イブクイックと違い酸化マグネシウムが入っていないため、人によっては胃がキリキリすると言われますが、私は大丈夫でした。バファリンAほどではないですがコスパもよいです。ただ鎮静剤は入ってるので眠気はやはり出てる気がします。逆に頭痛の時にイライラするような人にはおすすめです。

【ナロンエースT】
こんな人に…
・15歳以上
・できるだけ安く
・緊張性頭痛、かつ多少眠気が出ても効く方がいい
個人的補足:メインの成分はイブプロフェンなので胃への負担はイブAと同等くらいです。ただ若干コストはかかりますがエテンザミドが配合されているため頭痛には優位と言われています。しかし個人差があるので効果が変わらないと感じる場合はイブAの方がお得なことが多いです。

【アセトアミノフェン単体のお薬】
商品がたくさんありすぎるのでここを参照
こんな人に…
・8歳未満の小児(病院に行けなくてどうしても必要な場合)
・8〜15歳未満の小児で初めて市販の頭痛薬を使用する
・15歳以上だが、胃に優しいものが欲しい
・副作用が怖い、または薬が効きやすい体質である
個人的補足:子供から使えるため効果が弱いイメージのアセトアミノフェンですが、頭痛に関しては大人でも割と効く人がいるイメージです。高熱時の解熱にも比較的安心して使えるので一家に一つあると割と使えます。

【ナロン錠】【新セデス錠】
こんな人に…
・8歳以上(新セデス錠は7歳以上)15歳未満でアセトアミノフェン単剤で効果が薄い、かつ医師に市販薬での対応で問題ないと診断されてる場合
・15歳以上だが、胃に優しいものが欲しい
・緊張製頭痛の症状で、かつ眠気は多少出ても効く方が良い場合
個人的補足:メインの成分はアセトアミノフェンですが、プラスしてエテンザミドや鎮静剤が配合されています。小児の場合は病院でもカロナール(アセトアミノフェン)のみ処方されることが多いと思うので、それが効かない時の選択肢に入れても良いかなと思います。ただし、眠気が出る可能性があるのでお子さんが使用する際は自宅で様子を確認できる状態で試すなど慎重に使用してください。

【セデス・ハイ】
こんな人に…
・非ピリン系の薬(上記に挙げてきた市販薬)であまり効果がなかった
・胃は丈夫である
・アレルギー体質ではない
・効けば多少眠気が出ても良い
個人的補足:メインの成分はイソプロピルアンチピリンです。よく効くと言われているピリン系という分類に入ります。そう、よく効くのです。が、あまり店頭でおすすめされることがない理由はピリン系のアレルギーの人が一定数いて副作用(いわゆる「ピリン疹」とか)が怖いなーというところがあります。ただそういったアレルギー体質でない場合、かつピリン系以外の鎮痛剤が効かない場合にはこれが有効な可能性がありますので試す価値があるお薬です。

また、ここに載ってる以外の商品については厚生労働省のHPに解熱鎮痛剤の選び方の情報が商品の画像付き掲載されていますのでそちらも参考にすると良いと思います。
市販の解熱鎮痛薬の選び方|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

そのほか合わせ技として上記の鎮痛剤と併用して頭痛漢方を使うのもありです。私は五苓散を予防として使い、症状が出た時に頓服で鎮痛剤という感じでいくのが良いと思います。

ただし肩こりからくる頭痛で葛根湯使う場合、葛根湯は体温を上昇させるので頭痛薬の解熱作用でお互いの作用を打ち消してしまうことになり同時併用はできません。葛根湯をのんでから、4時間程度(葛根湯が1日2回服用タイプの場合は6時間程度)経過していれば、頭痛薬に変更することは可能なのでそちらで対応しましょう。

以上、頭痛薬のまとめでした!